5歳以降で、1カ月に1回以上の夜尿が、
3カ月以上続く場合を夜尿症といいます。
小学生以降も続いている場合は積極的に治療を行います。
夜尿症は、実はアレルギー疾患に次いで2番目に多い小児の慢性疾患と言われています。
原因としては尿の量が多すぎたり、膀胱が小さくて尿をためきれなかったり、眠りが浅いなど本人の意思や親のしつけとは関係なく起こります。
夜尿症はきちんと治療することで早期に治る可能性があります。夜尿症による心の負担は家族が思う以上に大きいことも分かっています。小学生以降も続いている場合は積極的に治療を行います。
日本の5~15歳の78万人(推定)に夜尿症があるといわれています
20人に1人つまりクラスに1人はいることになります?
積極的にいわないだけで、夜尿症のあるこどもさんは実はたくさんいるのです。
ほかに
・発達の遅れ
・遺伝的素因
・心理的ストレス など
夜尿症の原因は大きく3つに分けられます。
これは本来夜寝ている間はたくさん尿が作られないように尿量を減らすホルモンが出るのですが、ホルモンの量が少ないためたくさん尿が作られてしますことが原因となります。
人間は成長とともに身長が大きくなるように、成長とともに膀胱の大きさも大きくなります。
しかし、背の高い子も低い子もいるように、年齢よりも膀胱が大きい子も小さい子もいます。
そのため同じ年齢でも貯められる尿量が人によって違うのです。
眠りが浅いと最終的に必要な睡眠時間が足りず、膀胱に尿がたまっても起きられなくなります。
また、深い眠りの時に尿を減らすホルモンが出るので、睡眠が浅いとホルモンの量も減ってしまいます。
この3つの原因が単独もしくは複数重なって夜尿症がおこります。
夜尿症の中には、腎臓や膀胱、ホルモンなどの病気が隠れていることがあるため、治療前には検査が必要になります。
オシッコの濃さや腎臓の病気、糖尿病、オシッコの感染症がないかをみます
朝一番の尿が一番正確な検査になるので、当院では早朝尿を検査します
腎臓の機能などが正常かをみます
便秘がないか、背骨の病気がないかをみます
腎臓や膀胱の形に異常がないかをみます
夜尿症は本人の意思、親のしつけとは関係なく起こります。
当院ではよりよい治療を本人・ご家族と一緒に行うために、以下のような流れで治療を行っております。
初回来院
現状を医師に説明していただき今後の治療について医師より説明します。
冊子・アンケートを持ち帰り、次回の受診時に持参をお願いします。
冊子は検査の必要性や治療の必要性を理解していただくためにも
お子さん・ご家族で一緒に読んでください。
診察終了後、次回の診療予約を取ってお帰りただきます。
※2回目の来院では、診察や検査に約1 時間程度かかるので、
時間に余裕のある時にご予約をお願いします。
2回目の来院
おなかのレントゲン、採血、おなかのエコー、生活指導を行います。
また、日誌の記入や専用枠からの予約方法についてご説明をします。
診察、検査に約1 時間程度かかるので時間に余裕のある時に予約をお願いします。
尿検査をするので、朝1 番の尿を持参お願いします。
1~2週間後以降
3回目の来院
2回目の来院より1週間~2週間以降にご来院いただきます。
その間、日誌の記入をお願いします。必要に応じて内服治療をはじめます。
尿検査をするので、朝1 番の尿を持参お願いします。
4回目以降
受診間隔は基本1 カ月に1 回程度になりますが、
治療薬によっては2 週間に1 回来てもらうことがあります。
夜尿症の治療でまず大切なのが、生活改善と日誌の記録です。これらを継続的に取り組んでいただいた上で、治療効果がより高まるようにお薬を処方させていただきます。
水分や塩分のとり方、寝る前のオシッコの徹底などのポイントをしっかり守ってもらい、夜尿症がよくなるかをみます。また、便秘があれば便秘の治療を行います。
週に何回夜尿があるのか、朝一番のオシッコの量はどれくらいか、もれたオシッコの量はどれくらいか、昼間一番おしっこを我慢した時にどれぐらいオシッコを貯められるか(最大我慢尿量といいます)を記録してもらいます。
この記録は非常に大切で、本人や家族に現在の状況をしっかり把握してもらい、治療による効果の有無などがこの日誌で分かります。
日誌の記録は、より的確にその子にあった治療を行う上で欠かすことができないものです。
場合によっては、次のお薬を処方します。
抗利尿ホルモン薬:夜間の尿量を減らすホルモン薬
抗抗コリン薬:膀胱の筋肉をやわらかくして尿を貯めやすくする
夜に尿がもれたらアラームで知らせることで、おねしょをしたことを脳に認識させ、これを繰り返し行うことで、おねしょの尿量やおねしょの回数を減らすことを目的にする治療方法です。