滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、鼓膜の内側の中耳に滲出液が溜まっている状態を言います。急性中耳炎も中耳に液体（膿）が溜まり、急性炎症（耳の痛み、発熱、鼓膜の腫脹など）がありますが、
滲出性中耳炎は急性症状がないのが特徴です。

中耳に滲出液が溜まることにより、鼓膜の振動が行われなくなり、耳が詰まった感じがします。滲出性中耳炎は10 歳になるころには治るのですが、治るからと言って放っておくと難
聴が残ったり、言語発達遅延、中耳発育不良などを引き起こしてしまいますので、完治するまで治療を続けましょう。

（陥凹した鼓膜）

原因

・急性中耳炎
・アデノイド肥大
・アレルギー性鼻炎
・副鼻腔炎
・耳管の機能が低下

症状

・耳鳴り
・耳が聞こえづらい、詰まった感じがする

特に３～６歳の子どもは聞こえづらいことを伝えることができませんので、様子がおかしければすぐに受診するようにしてください。

治療方法

ティンパノメトリーという鼓膜が正常に動いているかどうかの検査を行い、滲出性中耳炎の程度を確認します。また聴力検査を行い、聞こえの状態を調べる検査を行います。

その結果、滲出液を外に排泄するお薬を処方したり、お鼻の処置を行います。またお薬を服用しても効果が得られない場合は手術療法として鼓膜切開や鼓膜換気チューブ留置術を行い滲出液を外に出します。

一枝クリニック　院長　江島正義

所属学会　日本耳鼻咽喉科学会、日本鼻科学会
資格　日本耳鼻咽喉科学会　耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医