耳管開放症とは？

耳管開放症とは、耳と鼻・のどをつなぐ管（耳管）が開きっぱなしになるために起こる病気です。耳がふさがった感じがしたり（耳閉感）、自分の声・自分の呼吸音が耳に響いたり（自声強聴・自己呼吸音聴取）する病気です。不快な状態が続くと精神的にイライラしてきます。
布団に横になったり、深くおじぎをするように頭を下げたりすると、耳管の周りの血管が膨らんで管が狭くなり、症状が一時的に軽くなる、というのが一つの特徴です。

症状は？

・耳閉感
耳の中に何かが詰まっている感じ、飛行機に乗ったり、よく高い山へ登ったときに耳に感じる違和感
・自声強聴
自分の声がいつもより大きく聞こえる
・自己呼吸音聴取
自分の呼吸の音も大きく聞こえる

原因は？

体重減少（過度なダイエット）
妊娠
顎関節症
ストレス

耳管開放症の診断は？

１．症状
耳閉感
自声強聴
自己呼吸音聴取
上記症状は診断基準に一つになります。
２．体位による症状変化
横になったり、前屈したりすると症状が軽減する
３．検査所見
A.鼓膜が呼吸性動揺
開放耳管を通じて鼻・咽頭の圧変化が鼓室に伝わるため、呼吸にともない鼓膜が動きます。
B.耳管機能検査（当院で検査可能です。）
鼻から音を流して、鼓膜に到達する音を測定し診断します。

（耳管開放症の方の耳管機能検査結果の一例）

耳管の閉じが悪いので音がいつまでも届きっぱなしになっています。耳管開放症と診断されます。

耳管開放症の治療は？

・生活指導
適切な運動、水分補給、適正体重にする。

・薬物療法
生理食塩水の点鼻することで 耳管開口部をふさぎます。効果は一時的です。
漢方
加味帰脾湯、補中益気湯 八味地黄丸などが耳管開放症に効果があると報告があります。
（参考：耳管開放症の漢方治療 JOHNS vol38 No4 2019）

・処置
鼓膜にテープ塗布
耳管ピン

一枝クリニック　院長　江島正義

所属学会　日本耳鼻咽喉科学会、日本鼻科学会
資格　日本耳鼻咽喉科学会　耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医